家じゃない。だからこそネタバレ禁止

昨年、一人で都市部の映画館へ外国映画を観に出掛けた時に、ある迷惑行為で困った事がありました。それは、ある観客同士によるとんでもない会話でした。
窓口でチケットを購入し、上映開始10分前になった時点で入場した私は、非常にワクワクした気持ちで上映開始の時間を待っていました。その間、私の周りには、館内で購入したお菓子や飲み物を口にしたり、パンフレットを読んだり、仲間同士でお喋りしたりといった、映画館でよく目にする光景が広がっていました。
しかし、しばらくして、たまたま私の耳に入ってきた会話の内容に、思わず耳を疑ってしまいました。それは、なんと、私がこれから観ようとしていた映画の結末を語り合うものでした。しかも、かなり詳細に。会話をもう少し詳しく聴いてみると、その観客たちはどうもかなりの映画通のようで、その映画を既に何度も観ていたような印象を受けました。私は、「うわっ、嫌だあ。上映前に結末なんて知りたくないのに!」と、嫌悪感を抱きました。以前から、映画のネタバレの文章をあまり読まないように意識して、映画館へと足を運ぶ私にとって、それは地獄以外の何物でもありませんでした。
映画館で上映開始前に何を話そうが自由です。しかし、だからといって、結末を詳細に話すのは、私のようにその映画を初めて観る観客に対する配慮に欠けていると思います。映画館へ映画を観にやって来る観客は、同じ映画を繰り返し見る映画通ばかりではないことを頭の片隅に入れて置くことが大事なのです。